展示会について
体験はインターフェイスを変えると変わります.人の知覚と行為が変わるからです.このダイナミクスを設計するのがインタラクション・デザインです.渡邊研究室では,知覚と行為の循環に情報技術を融合させ,プロトタイピングを繰り返しながらそこに立ち上がるインタラクションのプリミティヴを観測します.それは時に身体的な,文化的な,社会的な発見があります.我々はそれを言語化しながら定義,図式化し,価値の輪郭をつくります.本展示はインタラクションが作り出す人間観や体験の変容について,デモ展示と言語化を通じて紹介します.
ハード、ソフト、ネット、すべての特徴を組み合わせながら設計する時代です。特に最後のネットの可能性は未知数です。ネットはこれら設計の中心になると考えてもいいくらいの可能性を持っています。私たちはこれらを前提にインタラクションデザインの観点から、人の生活の変容をテーマに研究を進めてきました。本研究展示では、3つの企業、三菱電機、クックパッド、KDDI総合研究所とIoTをテーマにした共同研究成果の展示と、IoTに限らずさまざまなインタラクションに関する研究室の活動を展示します。また、ほとんどが動作するデモシステムの展示となっています
本展示会では、昨年度に引き続き、クックパッド、KDDIとの共同研究に加え、資生堂との共同研究、さらに自己帰属感や意思決定、コミュニケーション手法などをテーマにした個人の研究成果を展示します。今年のテーマは「インターネット中心設計」です。これは「メディアがインターネット1つになった」という考え方に基づき、あらゆるものをインターネット前提にして世界体験を再構築(インタラクションデザイン)してみようというチャレンジです。そうした流れの中で「メディアデザイン」は死語になろうとしています。そこで我々は、PDUデザインという考え方を前面に押し出します。PDU デザインは、スマートフォンの成功やインターネットサービスの成功による産業の劇的な変化のあった約20年の知見を踏まえたプラットフォーム構造から発想するデザイン論です。
21世紀も四半世紀を迎えようとする今、デジタルはもはや目標ではなく前提となりました。まさにDXという言葉がそれの意味するところです。そこで、今年の展示会のテーマは「質量ゼロのものづくりと豊かな人工化」としました。豊かな人工化という視点で捉えることで、デジタルであるか否か以上に人にとっての優れた人工物や体験のあり方へ視点を向けられます。本展示会では4つのセクションに分けて研究を展示しています。実際に体験いただきながら、技術と人間の関係を議論できれば幸いです。
渡邊恵太研究室が取り組んできた多様な研究の成果を登壇形式の発表を中心に、 これまでとは異なる形でご紹介します。 特別イベントとして、ゲストトーク、BCIxDの体験会、発表後のデモ・交流会を開催いたします。 ぜひ、多彩な研究を通じて渡邊恵太研究室のビジョンをご体感ください。