VR空間におけるアバタは, ユーザのアイデンティティや個性の表現としての役割を持ち,コミュニケーションやコンテンツ体験の質の向上に寄与する.一方で,VR空間で自分自身のアバタの形状を直接視認する手段は,鏡を介した反射や第三者視点の操作時などの限定的な状況であり,ユーザは着用するアバタの形状に適した認知特性を保持していない可能性がある.そこで本研究では,ヘッドマウントディスプレイ(HMD)の動きとその内部映像間の意図的な非同期を活用し,アバタの身体形状に応じた擬似的な重さの感覚をユーザに知覚させる手法を提案する.本手法は,VR空間内でのアバタの身体形状認知の促進を目的とする.
伊奈佑馬, 橋浦健太, 森本浩輔, 渡邊恵太. HMDの動きと映像の非同期を活用したアバタの身体形状認知の促進手法. WISS2023予稿集