SyncRopeは,2つの連動する,長さを入出力できるロープを使って,長さを直接他者に伝達するシステムである.通常,大きさを伝達する場面では,様々な動作のために人の介在が必要であり伝達行為は間接的である.伝える側の動作だけでも長さを測る道具選びや,計測,数字と単位の読み取り,記録,伝達といったプロセスがあり,伝達される側にもほぼ同様に多くの動作が求められ計測再現行為は煩雑である.しかし,長さを計測・再現する目的は,長さの使用や伝達であり,人は長さの入出力以外の動作に介在する必要はないはずである.そこで,計測から再現までのインタラクションを簡略化することに着目した.本稿では,1人が長さを計測すると,その長さを他の人の手元で再現できるアプリケーションのプロトタイプを実装したので紹介する.
幸野朋美, 渡邊恵太. SyncRope:連動する入出力一体型のロープによる長さの直接伝達システム. 第24回インタラクティブシステムとソフトウェアに関するワークショップ (WISS2016).