ハードウェアから物理的なユーザインタフェースを切り離して外在化させるexUIが提案されている.これは,ハードウェアの操作をスマートフォンで行い,ユーザインタフェースを切り替えることによって製品の価値や体験を多様に定義するものである.本稿では,この設計手法を南京錠に適用し,アプリケーションを切り替えて複数の使用方法を定義可能な南京錠metaLockを提案する.metaLockは解錠のトリガを自在に定義できるため,通常の伴としての使い方にとらわれない自由な設計が可能である.また,従来はexUIアプリケーション制作にWebプログラミング技術が必要だったが,プロトタイピングツールのFigmaを活用して画面設計を行えば即座にmetaLockを操作できるシステムを構築した.提案手法により南京錠の使い方を誰もが自在に定義するとともに,施錠したものの価値もソフトウェア上で定義することを目的としている.
高橋和也, 渡邊恵太. 南京錠を例としたFigmaを用いたexUI設計手法の検討. WISS2022予稿集