レーザーカッターの加工は平面形状の制作に特化しているため,3D 作品を制作するには切り出したパーツを組み立てる必要がある.この組み立て作業はパーソナルファブリケーションの場合,手作業で行われることが多く,作業の速度や精度,安定性など制作者の技術に依存するため,作品の品質にばらつきが生じる.この問題に対し,熱収縮性プラスチックに局所的な加熱を行うことで,平面を 3D 曲面へと変形させるレーザーカッターによる曲げ加工手法がある.この手法により,従来は成形が困難であった 3D 形 状を組み立て作業なしで実現でき,制作者の技術に依存しない一貫した品質の作品制作ができる.しかし,既存の曲げ加工手法では加工対象の性質上,曲げ方向が単一に限定される問題がある.そこで本研究では,透明な熱収縮性プラスチックに対して黒トナーを付与することで,山折り・谷折りを自由に切り替えることができるレーザーカッターによる曲げ加工手法を提案する.本手法により,レーザーカッターを拡張せずに,従来の曲げ加工では成形が困難であった複雑な形状を作ることができる.
今野 陽斗,渡邊 恵太. 透過レーザを用いた熱収縮性プラスチックの加熱面制御による山折り・谷折り加工. WISS2025予稿集